今月の一枚:秋晴れはまだ?

秋セメスターが始まって1ヶ月ほど経ちましたね。なんだか薄暗い日も多く、雨模様。写真は実験室前の傘立てです。床が濡れないよう、傘は傘立てに。実験は危険がつきもの。知識だけでなく、現場で活きる「経験」を養うのも大学の役割です。

明日から建学祭です!オープンキャンパスも!

明日、11月1日から11月3日まで建学祭が開催されます。今日(10月31日)は準備日。普段と異なりどこかソワソワした雰囲気。

物理学科では11月3日に14号館で学科相談会を開催します。飛び入り参加もOK。物理学科の若手教員(佐々木先生)がお待ちしています。

とき:11月3日(木)10時〜12時、13時から15時
ところ:14号館地階
※事前申し込み優先、先着順

今月の一枚:秋セメスターガイダンス

長かった夏休みも終わり、秋セメスターがスタートしました。写真は学年ガイダンスの様子です。ガイダンスは各学年別に開催され、開講される授業の紹介や履修相談を行いました。

皆さん、春セメスターを振り返り、充実した秋セメスターを過ごしてください。

体験授業を実施しました

付属校の生徒向けに体験授業を実施しました。

物理学科では「温度と金属の抵抗」「LEDの発光と温度」をテーマに実験と講義を行いました。実験では、普段から低温での実験を行っている佐々木海渡先生にレクチャーしていただきながら、液体窒素を使って金属やLEDを冷やし、その変化を観察しました。講義ではLEDの発光について、半導体光物性の理論がご専門の山口真先生に解説していただきました。お手伝いいただいた大学院生の皆様、ありがとうございました。

暑い夏にすこしひんやりした実験、楽しんでいただけたでしょうか?

デュワー片手に実験内容を説明する佐々木先生。

卒業研究、修士論文の中間発表会を開催しました。

卒業研究、修士論文の中間発表会が開催されました。今年度は入れ替え制、複数フロア開催とすることで、対面形式でのポスター発表とショートプレゼンテーション(修士課程)を実施することができました。発表のタイトルを一部掲載します。

  • Quantum master equationの導出と熱平衡状態への緩和
  • 量子通信に対するノイズの影響
  • 一般相対性理論を用いた数値計算による銀河中心ブラックホール画像の再現
  • X線回折測定による氷結したPVP水溶液の氷結晶構造
  • 半導体レーザとその増幅特性
  • 万有引力定数の測定を通した物理教育
  • ニューラルネットワークの実装から機械学習について考える
  • キトサン溶液の熱的非平衡状態における拡散現象の温度依存性解析
  • Euler-Lagrange 方程式と古典的なFeynman図
  • 核融合ダイバータでの発散磁場配位に おける再結合過程の基礎研究
  • Geant4を用いた電子飛跡検出型コンプトンカメラのシミュレーションによる線源の形状を変化させた場合の性能評価
  • Fermi衛星によるスターバースト銀河からのガンマ線の探索
  • 宇宙線反粒子探索計画GAPS用冷却システムの開発
  • フーリエ変換を用いた声の波形の解析
  • 量子力学におけるポテンシャルの散乱
  • 衛星搭載ライダーによる雲とエアロゾルの観測シミュレーション
  • 太陽光励起レーザーによる光触媒水素発生

物理学科セミナーを開催しました。

2022年度から物理学科ではセミナーを開催しています。このセミナーは、大学院生の方はもちろん、学部生も自由に参加していただくことができます。

今回は物理学科助教、佐々木海渡先生に「水に見られるガラス状態の多形とガラス転移」というタイトルで最新の研究結果について講演していただきました。

[講演概要]
水は身近に存在する物質である一方、4℃での密度極大や過冷却領域での比熱の発散傾向など、様々な異常性を持つ。近年、過冷却領域での水の研究が進み、水には低温で2つのガラス状態(低密度水と高密度水)が存在することが分かってきた。これはガラス状態の多形と呼ばれ、水の異常性と関係している可能性が指摘されている。セミナーではまず水のガラス状態の多形について概観した後、最近得られた高密度水のガラス転移についての実験結果を紹介する。

[関連リンク]
佐々木先生の個人HP
東海大学 分子複雑系研究グループ(RGMS)HP

今月の1枚:メタセコイア並木

梅雨も明け、緑が一層深まりました。写真は物理学科がある18号館近くのメタセコイアの並木道です。授業の合間に緑の中を歩き、気持ちと頭をリフレッシュ。湘南キャンパスは都会から少し離れ、落ち着いた環境で勉学に集中することができます。

大学院生がアメリカ、アルゴンヌ国立研究所とJefferson Lab で海外研究活動を行いました 。

博士課程2年生の野呂凱人さん(北林研究室)が5月末から1ヶ月、アメリカ、アルゴンヌ国立研究所とJefferson Lab に研究留学をされました。野呂さんは本学理学部物理学科を卒業され、現在は本学大学院、総合理工学研究科に在籍しています。昨年度末までは主にベンツ研究室で、現在は北林研究室で研究をされています。(※ベンツ先生は昨年度末に退職されました。)今回の留学について、野呂さんからお話を伺いました。 

「私はアメリカのシカゴ近郊のアルゴンヌ国立研究所にて共同研究者であるIan C. Cloet教授の研究室に3日間、また1986年から毎年開催されている「Hampton University Graduate Studies Program 2022 (HUGS2022)」に参加するためにノーフォーク近郊のJefferson Lab にて3週間滞在しました。普段はアインシュタインの一般相対性理論と、素粒子レベルで原子核を扱う有効理論の1つのNambu-Jona-Lasinio Model を用いて、ブラックホールに次ぐ強重力天体である中性子星の内部を調査しています。研究室滞在中には自分が作成した数値計算のプログラムの内容についての議論をしました。Jefferson Lab 滞在中は、原子核分野の理論から実験まで広い範囲の最先端の研究講演を聞くことができました。自分の口頭発表もあり、質疑や議論によって今後の研究に繋がる良いヒントをもらえました。色々な研究について知る良い機会であったと同時に参加者の研究に対する熱意を凄く感じ、良い刺激となりました。」

野呂さんの今後のご活躍、期待しています。

OG講話&学科セミナーを開催しました。

本学OGである江口菜穂先生(九州大学応用力学研究所大気海洋環境研究センター・准教授)にお越しいただき、1年生向けのOG講話では「キャリアパス ある大気学者の場合」、学科セミナーでは「地球大気科学の基礎」というタイトルでご講演をいただきました。江口先生は、本学在学中には雪氷が気候に与える影響について研究され、現在は九州大学応用力学研究所大気海洋環境研究センターで成層圏―対流圏間の力学的相互作用について研究をされています。

OG講話ではご自身のキャリアパスについて、ざっくばらんにお話しいただきました。受講した学生から、

「江口先生の話からは夢中になれることを探し、それを突き詰めるということを学びました。これといった夢中になれるものが自分にはまだないので、大学生活中に見つけたいです。」

「ご自身の研究の原点を忘れないように、辛いときには励みにしながら研究を行っているとのことで、自分も最初に物理に対して抱いた興味、感動を忘れないように勉強、ゆくゆくは研究をしていけるよう頑張っていきたい。」

と感想をいただきました。みなさん良い刺激を受けたようです。

学科セミナーでは地球システム系で重要な役割を果たす地球大気の概要から、気象現象および地球規模の環境問題についてお話しいただきました。

江口先生、ご講演いただきありがとうございました。

物理学科セミナーを開催しました。

 2022年度から不定期で物理学科セミナーを開催しています。第1回は物理学科講師、伊與田英輝先生に「純粋状態における熱力学第二法則とゆらぎの定理」というタイトルで講演していただきました。内容は大学院生以上を対象としたものでしたが、学部生の方も参加いただけたようです!普段の講義とはひと味もふた味も異なる先端の物理、お楽しみいただけたでしょうか?ぜひ、次回も楽しみにしていてください。

[講演概要]
近年、人工量子系において統計力学の基礎研究が行われています。このセミナーでは、熱力学第2法則やその拡張であるゆらぎの定理を量子力学から理論的に導出する研究について話します。

[関連する論文など]
Eiki Iyoda, Kazuya Kaneko, and Takahiro Sagawa, PRL 119, 100601 (2017)
Kazuya Kaneko, Eiki Iyoda, and Takahiro Sagawa, PRE 96, 062148 (2017)
Eiki Iyoda, Kazuya Kaneko, and Takahiro Sagawa, PRE 105, 044106 (2022)
金子和哉, 伊與田英輝, 沙川貴大, 日本物理学会誌 Vol.73, No. 6, p. 361 (2018)
※リンクはリードページ