物理学専攻の大学院生が国際会議で研究成果を報告

物理学専攻大学院生がアメリカ・サンフランシスコのモスコーニ・センターで開催された国際会議、”Photonics West 2024”で口頭発表を行いました。自動運転などで注目されている「LiDAR」と呼ばれるリモートセンシング技術では、短いパルス幅で高出力なレーザー光が求められます。異なる波長のレーザー光を同時に入射することで高出力な短パルス光を生み出すことができたという研究成果を報告しました。

2年生が春の学校に参加しました。

2年次生の白澤さんが総合研究大学院大学、国立天文台が主催する「第13回総研大・国立天文台スプリングスクール(春の体験入学)」と国立天文台が主催する「国立天文台 科学研究部 春の学校2023」に参加しました。白澤さんから「理論研究や観測研究、装置開発など様々な分野から天文科学を学ぶことができ、興味がより一層深まりました。実際の研究の体験や参加者同士の交流の場も設けられており、研究の難易度の高さや参加者の熱意の高さを実感しとても良い刺激になりました。」とコメントを頂きました。イベントの詳細は下記リンクを参照してください。

国立天文台 科学研究部 春の学校2023第13回総研大・国立天文台スプリングスクール(春の体験入学)

大学院生がアメリカ、アルゴンヌ国立研究所とJefferson Lab で海外研究活動を行いました 。

博士課程2年生の野呂凱人さん(北林研究室)が5月末から1ヶ月、アメリカ、アルゴンヌ国立研究所とJefferson Lab に研究留学をされました。野呂さんは本学理学部物理学科を卒業され、現在は本学大学院、総合理工学研究科に在籍しています。昨年度末までは主にベンツ研究室で、現在は北林研究室で研究をされています。(※ベンツ先生は昨年度末に退職されました。)今回の留学について、野呂さんからお話を伺いました。 

「私はアメリカのシカゴ近郊のアルゴンヌ国立研究所にて共同研究者であるIan C. Cloet教授の研究室に3日間、また1986年から毎年開催されている「Hampton University Graduate Studies Program 2022 (HUGS2022)」に参加するためにノーフォーク近郊のJefferson Lab にて3週間滞在しました。普段はアインシュタインの一般相対性理論と、素粒子レベルで原子核を扱う有効理論の1つのNambu-Jona-Lasinio Model を用いて、ブラックホールに次ぐ強重力天体である中性子星の内部を調査しています。研究室滞在中には自分が作成した数値計算のプログラムの内容についての議論をしました。Jefferson Lab 滞在中は、原子核分野の理論から実験まで広い範囲の最先端の研究講演を聞くことができました。自分の口頭発表もあり、質疑や議論によって今後の研究に繋がる良いヒントをもらえました。色々な研究について知る良い機会であったと同時に参加者の研究に対する熱意を凄く感じ、良い刺激となりました。」

野呂さんの今後のご活躍、期待しています。

学生による研究紹介 宇宙線反粒子探索計画GAPSの開発

宇宙線反粒子探索計画GAPSの開発を行っている、物理学科4年生河内研究室の大山千晶さんによる研究紹介です。

宇宙線反粒子探索計画(GAPS)は日米伊を中心に約60名が参加する南極周回長時間気球実験です。宇宙線中に微量に含まれている反粒子(とりわけ未発見の反重陽子)の高感度探索を通じてダークマター等の初期宇宙物理の課題に迫ることを主目的としています。
私はJAXAに赴き、気球フライトに耐えうる冷却システムの開発を主に行いました。実験結果が明らかにおかしい時、原因解明の為に実験装置のパーツや使用した液体の温度、温度センサー等を一から確認しなければならなかったことは大変でしたがやりがいがありました。
基本的な作業(実験装置準備から結果を出すまで)のほとんどを自分に任せてもらえましたが、ミスが入ってしまうこともありました。しかし、ミスをしたとしてもちゃんとこういう理由があるから注意が必要なんだよ、と学生目線で一緒に考えていただいたことや、目立たない部品の実験でも試験機を動かすためには必要不可欠なものであり、国際的なプロジェクトの一員として名前が載るんだよと言われたことが印象に残っています。
このように、東海大学ではJAXAと共同で研究を行うことが出来ます。大学には無い研究施設や研究員の方と実際に関わる経験はとても貴重であり、実験以外にも目的に対する考え方やデータのまとめ方を自分なりに見つけ学ぶことが出来ると思います。

大学院理学研究科の金子さんと神永さんが「第38回プラズマ・核融合学会」で若手学会発表賞を受賞しました

物理学科、利根川先生の研究室に所属している大学院理学研究科の金子さんと神永さんが「第38回プラズマ・核融合学会」で若手学会発表賞を受賞しました。おめでとうございます!

新入生へのメッセージ

大学院理学研究科物理学専攻1年 友野弥生

高校ご卒業おめでとうございます。皆さんは今どんな気持ちで新生活を迎える準備をしているでしょうか?第一志望に受かった人希望する大学に受からなかった人、様々だと思います。思い返すと私は後者のパターンで東海大学に行くしかないと決まったときは、これまでの勉強時間が無駄になってしまったことに酷く落ち込んでいました。しかし大学時代に多彩な専門を持つ物理学科の先生方の授業や理系学生を対象としたサイエンス・マイスター育成プログラムなどを受講したことで、理系的な考え方を身に付けられたことは大きな財産になったと感じています。
大学院に進学してからは次世代チェレンコフ望遠鏡建設のグループに所属し、国内外の研究機関の研究者たちと2020年の運用開始に向けて、各分野での課題に取り組んでいます。私は主にチェレンコフ光をとらえるカメラと今後の観測天体の選択に関わる研究をしています。壁にぶつかるときもありますが大学時代に鍛えた問題解決能力は今に生きていますし先生方の手厚いサポートも受けることができています。
皆さんは高校を卒業しようやく一段落したところだと思いますが、本当に大切なのは「これから」です。高校で学んできたことを基礎にして「何を身に付けるか」だと思います。皆さんの大学生活がより良いものになるよう応援しています。

物理実験 で教育補助学生として学生にアドバイスする友野さん

学生からのメッセージ

物理学科3年 小澤栄里

私は物理学科の学生が多く所属しているSSE(Supporting Science Experiment)というサークルで活動していました。

SSEでは、学校や科学館でのイベントで様々な実験を展示し、子どもたちに体験してもらうことで、科学の面白さを実感してもらうという活動をしています。

サークルでは、子どもたちに分かりやすく理解してもらえるような実験を作っています。実際に活動すると、自分では分かっているような原理でも、子どもたちに伝えるのはとても難しいと思いました。しかし、理解してもらえなくてもお互いに楽しんで、少しでも科学に興味を持ってもらえるようにしています。

さらに、SSEには物理学科の先輩がたくさんいるので、授業や大学生活について聞くことも出来ます。もちろん、同学年の友達も出来ますし、他大学の同じような活動をしている方々とも交流できます。

他のサークルでは、同じ学科に限らず様々な学科の人と交流できるので、より広い考え方を知ることが出来ます。

また、私は教職課程を履修しているので、SSEの活動を通じて子どもたちの反応を見ることで理科をどのように伝えればよいのかを学ぶこと出来ます。これがより分かりやすい実験を考える材料となり、将来、教育現場に出た時の大きな経験の1つとなります。

皆さんも物理学科で私のように将来につながる経験をしてください。

卒業生からのメッセージ2015

名前: 宮下 靖史

最終卒業年: 東海大学大学院 理学研究科 物理学専攻 2003年度卒業

職業: ヤフー株式会社 勤務 (技術系管理職)

物理学を通じて学んだ論理的な思考は理工学系の基礎

私は宇宙への興味と好奇心から物理学科へ入学し、宇宙物理学を専攻して大学院まで進みました。今は日本有数の通信量を誇るIT系企業で社内の全サービスの中心となる様なコアプラットフォームのシステムを運用・維持・管理するシステムエンジニアとしてプロダクトの責任者をしています。

宇宙物理は広大な宇宙全体の成り立ちや構成を考えるものから、一つの天体にフォーカスして星の一生を研究するものまで多岐にわたります。局所的な視点で深く掘り下げることや時には全体を俯瞰して考察する様な物事のアプローチをする必要があります。物事の全体から詳細までを考え、そしてそれらを理解してゆくためには、「何故そうなるのか」「どうしたらこうなるのか」を徹底的に考え筋道だった論理を組み立てる必要があります。日々の学習で身に付けた論理的な思考は、現職において担当している全国に分散する壮大なシステムを理解し管理するための力強い武器となっています。

また宇宙物理という一般には馴染みのない分野について語る際には、分かり易く話すための説明やプレゼンテーションを行う必要があります。在学中には卒業研究や学会など人前での発表を通じて自身の研究を説明する機会を得ることができ、国際会議への参加などにより世界中から集まった研究者たちの発表を見聞きすることでプレゼンテーションの能力を磨くことができました。物理学科と物理学専攻において得られた知識や経験には、理工学系の分野で基礎となるものが数多くあります。受験生の皆さん、物理を学ぶことで得られる私のような大きな成長のために、東海大学物理学科へ是非お越し下さい。

卒業生からのメッセージ2014(3)

活躍する女性卒業生を特集した東海大学Webページ「卒業生からのメッセージ」に物理学科西嶋研究室卒業生の岸茜さんからのメッセージが掲載されています。

物理学科を卒業し、科学館でインストラクターをしている岸さんから,これから理系を目指す皆さんへの応援メッセージが掲載されています。
http://www.u-tokai.ac.jp/g_message/vol3.html

受験生へのメッセージ 2014(2)

私は卒業研究で放射線治療に関する研究をしています。「物理学科に進学して医療に関する研究ができるのか?」と思う方もいるかもしれませんが,物理学科では素粒子から宇宙まで自然界で起こる様々な現象を学ぶ事ができます。放射線もその一つです。また東海大学は総合大学なので物理学科の先生だけでなく医学研究科の先生方も研究のサポートをしてくれています。

物理の知識を生かせる職業の中に医学物理士という職業があります。医学物理士は放射線治療の安全性を保つ事や、患者さんに当てる放射線の量や当て方を考えるなど,物理の知識が直接人の為に役立つ職業です。「興味のある分野で誰かの役に立てる!」私はそう感じ大学院は医学物理士を目指すために医学研究科に進学します。

ですが入学当初,私は「宇宙の事を学びたい!」という気持ちだけで物理学科に入学しました。物理学科の授業は高校の授業ではやらなかったような幅広い専門分野を学べます。また実験の授業でも音波やプラズマ,レーザーなど,多様な分野の実験ができるので座学だけではわからない物理の楽しさを知ることができると思います。

平井さんと櫛田准教授

私は実験の授業をきっかけに放射線に興味を持ちました。実験では放射線のエネルギーを計測しました。実際に目では見えない放射線ですが検出器で検出することにより間接的に放射線のエネルギーを見ることができます。私は「目には見えない物質がエネルギーを持っている」という所に興味をひかれ放射線について更に深く知りたいと思いました。そして研究室選びでは宇宙ではなく放射線に関することを研究したいと思い医学研究科と繋がりがあり,放射線治療について研究ができる櫛田研究室を選びました。この研究室で目標とする職業の存在を知ることができました。

今,将来の夢や目標が見つかっていない人もいるかもしれません。ですが幅広い分野が学べる物理学科で,私のように目標が見つかるかもしれません。きっと卒業する頃には今では想像がつかないような自分に成長していると思います。

平井