卒業研究・修士論文中間発表会がおこなわれました

7月23日に理学部物理学科の4年生,修士2年生の卒業研究・修士論文中間発表会がおこなわれました。

卒業論文のタイトル(抜粋)

  • 色素増感型太陽光励起ファイバーレーザー
  • 半導体励起アルカリレーザー(DPAL)の自然対流冷却
  • ガンマ線連星系 PSR B1259-63/LS2883の流体シミュレーション~密度分布、異方性の影響~
  • 近赤外3色同時観測によるホットジュピターの大気観測
  • 宇宙線気球実験GAPS搭載に向けた冷却装置OHPの開発~可視化による挙動の確認~
  • ツイッター構造をもつイオン液体は水溶液中でどのようにふるまうのか?
  • 誘電分光法によるデキストランDMSO溶液の分子ダイナミクス
  • ポリマー溶液を用いた熱非平衡下での拡散現象
  • ソレー効果から考える洗濯のり主成分の水溶液物性
  • 誘電分光法を用いた多糖類と不凍水の分子ダイナミクス解析
  • 初期宇宙のレプトン非対称性とダーク放射
  • MeVダークマターの質量制限と有効ニュートリノ数
  • Geant4を用いたがん治療の放射線シミュレーション
  • 核医学用ガンマ線検出器への応用を考えた光検出器MPPCの基礎実験
  • 1-propanol水溶液の分子ダイナミクス
  • Poly(vinyl pyrrolidone)と水分子の衝突~ガラス転移と協同運動~
  • 誘電分光法を用いたゼラチン水溶液の水のダイナミクス
  • 純水の氷の誘電緩和の再現性
  • Poly(vinyl methyl ether)水溶液を用いた協同運動性に関する研究
  • Androidスマートフォンにおける物理量測定
  • 広帯域光源を用いたシングルモードファイバーの分散測定に関する研究
  • オーロラ粒子の加速機構
  • 核融合周辺プラズマ計測のための高性能質量分析器の開発
  • 色一等級図と進化モデルの比較による球状星団NGC2419のBlue Stragglarの同定
  • μ粒子の寿命測定とFe,Pb原子核の捕獲確率の推定
  • Fermi衛星による矮小楕円銀河からのダークマター起源ガンマ線の探索
  • 色一等級図と進化モデルの比較による散開星団M44の年齢推定
  • BSアンテナを用いた電波望遠鏡の開発
  • 音速を実感できる教材の開発 ~散水ホースを用いた音速測定~
  • 水の器の測定 ~油の器との比較~
  • 核子と中間子の形状因子について
  • 原子核の安定性と崩壊
  • 原子核の質量公式と結合エネルギーのパラメーター化
  • グラフェンによるフェムト秒第2次高調波の発生
  • He-La細胞の時間領域計測と有限要素法による測定電極の解析
  • 誘電分光法による脂質ペプチド系ヒドロゲル化剤の動的挙動と構造化の仕組み
  • 誘電分光法によるリポソームおよびその凝集構造変化の解析
  • 行列による素粒子変化の記述
  • 中赤外光源を用いたホルムアルデヒドの吸収分光に関する研究

市民科学講演会

日本物理学会第69回年次大会が東海大学湘南キャンパスで行われる予定です。
東海大学物理学科の先生,学生さんが大会の運営に協力しています。

http://jps2014.sp.u-tokai.ac.jp/

学会参加者だけでなく,一般向けの市民科学講演がおこなわれます。
宇宙や研究開発に興味ある方はぜひご参加ください。

市民科学講演会

日時: 2014年3月30日(日) 14:00 ~ 16:30 (会場13:30)

会場: 東海大学湘南キャンパス 松前記念館 地下1階講堂
講演内容:
基礎研究と科学技術 ~共に究極の謎に迫る~

「宇宙に終わりはあるか」 村山斉 (東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構,機構長)

「源は研究開発」      川村隆 (株式会社 日立製作所,会長)

定員: 490名

入場料: 無料 <先着順>

http://jps2014.sp.u-tokai.ac.jp/lecture/

卒業生からのメッセージ2014(3)

活躍する女性卒業生を特集した東海大学Webページ「卒業生からのメッセージ」に物理学科西嶋研究室卒業生の岸茜さんからのメッセージが掲載されています。

物理学科を卒業し、科学館でインストラクターをしている岸さんから,これから理系を目指す皆さんへの応援メッセージが掲載されています。
http://www.u-tokai.ac.jp/g_message/vol3.html

卒業研究発表会が行われました

2月吉日4年生の卒業研究発表が行われました。以下は卒業研究タイトルの一部抜粋です。

  • 新星 NOVA DEL2013の光度変化
  • 光学望遠鏡による脈動変光星δCepの観測
  • ガンマ線を放射する活動銀河核の特徴の研究
  • Fermi衛星による活動銀河核光度変化の観測
  • 超新星残骸W44と周辺分子雲からのガンマ線放射の研究
  • がん診断に用いるPETへの搭載を想定したガンマ線カメラの開発
  • Geant4シミュレーションソフトを用いたDNA損傷の物理的解釈
  • ミューオンの崩壊寿命及び負ミューオンの原子核による捕獲断面積の研究
  • 超新星残骸IC443からのπ0崩壊起源ガンマ線の探索
  • 電波観測による散在流星の時間変動
  • 水素吸蔵材を用いた核融合燃料回収のための基礎実験
  • シートプラズマを用いた電気推進エンジンの推力計測
  • オーロラ形成におけるダブルレイヤー現象に関する基礎研究
  • PMMA良溶媒及び貧溶媒におけるルードヴィッヒ・ソレー効果
  • 誘電分光法を用いた氷結したウシ血清アルブミン水溶液の分子ダイナミクス
  • 氷結したPoly(vinyl methyl ether)水溶液の融解過程におけるダイナミクス
  • 複雑系の動的構造解析のための誘電分光とシミュレーションの基礎
  • PFG-NMR法による生体中の水分子の拡散の研究ー生体モデルとしての豆腐・細胞ー
  • 成層圏極渦反転データ解析-コンポシット解析と鉛直構造-
  • 色素増感型太陽光励起ファイバーレーザーの開発
  • 半導体励起アルカリレーザー(DPAL)の高出力化に関する研究
  • 体積型回折格子を用いたチャープパルス圧縮に関する研究
  • パルスファイバーレーザーを用いた線幅拡大による波長変換への影響に関する研究
  • オールファイバー型モード同期レーザーに関する研究
  • 結晶性シリコンの超高速励起および解離に伴うエネルギーバンドの崩壊と誘電率の過渡的変化
  • 固体の超高速励起と緩和過程の計測・ポンププローブ法
  • コンクリート材に対するセシウム原子染み込み過程のTOF計測
  • 初期宇宙のエネルギー密度計算時における超相対論的極限の有効性
  • 相対論的ボルツマン方程式による素粒子ダークマターの候補の制限
  • 初期宇宙のレプトンフレーバー非対称性と有効相対論的自由度
  • SU(2)×U(1)模型とヒッグス機構
  • 太陽ニュートリノ振動
  • 太陽系外惑星の研究のこれまで
  • ガンマ線連星系の 電波観測プロポーザルの検討
  • 回転する水が作る器の曲線と焦点距離について
  • 自作屈折望遠鏡の光軸修正についての研究

受験生へのメッセージ 2014(2)

私は卒業研究で放射線治療に関する研究をしています。「物理学科に進学して医療に関する研究ができるのか?」と思う方もいるかもしれませんが,物理学科では素粒子から宇宙まで自然界で起こる様々な現象を学ぶ事ができます。放射線もその一つです。また東海大学は総合大学なので物理学科の先生だけでなく医学研究科の先生方も研究のサポートをしてくれています。

物理の知識を生かせる職業の中に医学物理士という職業があります。医学物理士は放射線治療の安全性を保つ事や、患者さんに当てる放射線の量や当て方を考えるなど,物理の知識が直接人の為に役立つ職業です。「興味のある分野で誰かの役に立てる!」私はそう感じ大学院は医学物理士を目指すために医学研究科に進学します。

ですが入学当初,私は「宇宙の事を学びたい!」という気持ちだけで物理学科に入学しました。物理学科の授業は高校の授業ではやらなかったような幅広い専門分野を学べます。また実験の授業でも音波やプラズマ,レーザーなど,多様な分野の実験ができるので座学だけではわからない物理の楽しさを知ることができると思います。

平井さんと櫛田准教授

私は実験の授業をきっかけに放射線に興味を持ちました。実験では放射線のエネルギーを計測しました。実際に目では見えない放射線ですが検出器で検出することにより間接的に放射線のエネルギーを見ることができます。私は「目には見えない物質がエネルギーを持っている」という所に興味をひかれ放射線について更に深く知りたいと思いました。そして研究室選びでは宇宙ではなく放射線に関することを研究したいと思い医学研究科と繋がりがあり,放射線治療について研究ができる櫛田研究室を選びました。この研究室で目標とする職業の存在を知ることができました。

今,将来の夢や目標が見つかっていない人もいるかもしれません。ですが幅広い分野が学べる物理学科で,私のように目標が見つかるかもしれません。きっと卒業する頃には今では想像がつかないような自分に成長していると思います。

平井

受験生へのメッセージ 2014(1)

私が物理学科に入学したのは宇宙物理に興味があったからでした。しかし、大学の授業で様々な分野の物理学の基礎を学んだことで考えが変わりました。あっという間に4年になり、現在は分子物性研究室に所属し、高分子と水分子の運動や性質について研究しています。研究室での活動は、授業とはまた別で、世の中で明らかになっていないことを自分たちで明らかにしていくということに楽しさがあります。研究室の仲間や、先輩、先生方とコミュニケーションをとり、相手の話をきいて、自分の考えを述べ、議論を交わし有意義な研究生活を送ることができています。このような研究生活を送ることで、人として成長することができることはもちろん、就職活動にも役立ちますし、たくさんの友達と巡り合うことができました。
大学の4年間で学んだことは物理学のほんの一部にすぎないのかもしれませんが、地球上の様々な自然現象の原理原則を学ぶことができたというのは、私にとってすごく充実した、意味のある4年間でした。あなたも東海大学理学部物理学科で毎日がすばらしい研究生活を送ってみませんか?もしあなたが4年間の物理学科での学習で満足できない場合は大学院へと進学しましょう。

大浜

毎日研究漬けではありません

大学院生が国際会議でスペインに行ってきました

先日、SpainのBarcelonaにて、複雑系の緩和現象についての国際会議に参加してきました。ここでは、この分野を牽引している世界各国の研究者が一堂に会し、7日間に渡って様々な議論がなされました。私は卒業研究の時から現在まで取り組んでいるタンパク質水溶液の分子運動とガラス転移に関する研究を報告してきました。
修士課程ではそれまでとは異なる様々な経験を積むことができます。特に、国際会議参加や、共同研究者が在籍しているGreece、Athens工科大学滞在は私の研究活動、人生に大きな良い影響を与えていると感じます。普段では得難い体験が修士課程には有ります。物理を志した者として、修士課程に進学し、特別な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

佐々木

SSEがペットボトルツリーを作成しました

理学部物理学科の学生有志からなる「SSE(Supporting Science Experiment)」がペットボトルツリーを作成し,現在夕方の時刻にイルミネーションを光らせて1号館前に展示されています.SSEは、理科や科学の面白さを子どもたちに伝えることを目的に活動している団体で,今回は大学のイルミネーション作成に参加しました.

「今回は理学部代表としてSSE1,2,3年生を中心に藤城先生、藤城研究室の3年生にもご協力いただいてペットボトルツリーを作らせて頂きました。2週間という限られた期間での制作でしたが、工夫した点といえば出来る限りペットボトルのみを使用し、ツリーを立たせること、理学部らしさを出すために光ファイバーを利用したことなどです。今回のペットボトルツリー制作はSSEを今年引退する3年生にとってはサークル最後の、1,2年生にとっては2013年最後の活動となり、1年を締めくくるとても良いイベントとなりました。12月25日までツリーは点灯しています。制作者一同気持ちを込めて作りましたので、是非一度見て行ってください。」